「気」のお仕事の一つに防衛作用があります。
これは、身体の表面に気のバリアーを張って邪気から
身を守ってくれるんです。
中医学では、邪気は毛穴からも入るとされています。
目には見えませんが、体表面って穴が一杯あるんですよ。
夏は汗を一杯かいて肌もゆるくなって、毛穴が閉じることはありません。
毛穴が開ききったところに、乾燥の秋がやってきます。
秋は風が吹く季節でもありますよね。 この風がウイルスや花粉などを
連れてやってくるわけです。
乾燥と気温低下が、ウイルスは大好きなんです。
夏に冷たい物の取りすぎなどで、脾が弱っていると
「気」が作られなくなると言いました。
すると?
身を守る気のバリアーがないので、開いた毛穴から邪気が
入って来ます。
これを防いでくれるのが、
実は、酸味の力で助けてくれるんです。
酸味の効能に、収斂(しゅうれん)というのがあります。
だらだらとした体調や津液のもれなどを引き締めてくれる効能です。
これが、毛穴を引き締めて、邪気の侵入を防いでくれるんですね!
(この酸味、春の五味でもあります。 春にも春一番というぐらい
風が吹く季節で、花粉症やウイルスが飛び交います。
冬の寒さで閉じていた毛穴が春の陽気で気温が上がると毛穴が
ゆるむんです。そこに春の邪気がはいってくるんですね。)
というわけで、今の季節の変わり目には、脾を強化して
酸味を取り入れて、邪気から身を守ることを意識したいと思います。
脾の強化には黄色の食材のサツマイモと、気を補ってくれるなつめと、
酸味のレモンと、潤いの蜂蜜をつかった簡単デザートを作りました。
●リンゴとサツマイモのレモン蒸し煮
<材料>
リンゴ 1個
サツマイモ 200g
なつめ 2個
はちみつ 小さじ2
レモン 大さじ1
水 少々
<作り方>
1、リンゴは皮をむいてくし形に切る。サツマイモは1センチの輪切り、
なつめはお湯で柔らかく戻しておく。
2、鍋にリンゴを並べ、上にサツマイモ、なつめを重ねて置く。
3、その上にレモンをかけ蜂蜜をかける。
4、火をつけて蓋をして、弱火で20分蒸し煮する。
5、リンゴの水分量により、焦げそうなら水を少し足す。
これは、蒸し煮ですから本来は水は一滴もいれないんですが、
水分量の少ないリンゴだと、焦げることがあるので、様子を見ながら
水を調節してくださいね。
子供からお年寄りまで、身体に優しいデザートです。